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ポイントの局面と

櫛田六段との対局では、振り駒で先手番を引き後手の櫛田流「世紀末四間飛車」を迎え撃った。

櫛田先生が多用して高勝率を上げたことで櫛田流と呼ばれる四間飛車ができたのが今から15年前くらい。
自分が奨励会入会した時期だったのですが、とにかく奨励会でも人気があった。級部屋、段部屋問わず何処かでこの将棋が指されていた。アマの方にも人気がある戦形だと思うし、誰でも一度はやってみたくなる戦法。
勿論居飛車党で居飛穴に組むようになっていた自分には天敵であり、奨励会時代から何度も痛い思いをして、研究しての繰り返し。

そして迎えた本家との一局。
先後問わず櫛田流と戦うことは決めていた。
持ち時間5時間としては早い進行で午前中から駒がぶつかり、居飛車優勢で迎えた下図↓
(新規棋譜)84手

何気ない△86歩、丁寧に▲同歩と取ると△87歩▲同銀(▲同金は△39角が嫌)△47銀不成とされておいてかなり嫌な局面になる。▲24飛と走ると△46角が激痛なうえ、黙ってても△46角や△56銀成があり、最終的に△95桂もある。
そこで図で手抜きで▲24飛と走り、△23歩に▲25飛がぴったりの引き場所。後手は△87歩成から攻め合いに出たい局面だが、▲45飛や▲84歩の反撃があり支えきれない。8筋の歩を手抜いたのは、後で▲84歩とこちらから反撃する狙いがある。▲25飛に実戦は△35歩と受けたが、続く▲51角がかなり痛い手。飛車取りでもあるけど、8筋の歩が切れればやはり▲84歩の狙いがある。


本局は櫛田六段の引退の一局となった。
自分にとっては本家櫛田流の四間飛車と最後に指せたことは、「勉強になった」という言葉じゃない。言葉では表せない「財産」じゃないかなと思う。その財産も、自分次第では宝石にもなるだろうしゴミにもなってしまうだろう。
また、引退の一局の相手を務めるということで、特に変ったことはなかったけどひとつだけ。
対局開始のときに櫛田先生にカメラを構えた記者が待ってた(自分のうしろから)ので、初手はすぐ指した。2手目(櫛田先生が後手なので)△34歩と突いたときシャッターが切られていたのは言うまでもなし。
それくらいの気遣いはしたけど、以降は真剣勝負、対局に没頭してました。


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月下のシン

Author:月下のシン
2008年10月1日付けで棋士となった佐藤慎一です。
気づいたら早いもので4年目に突入!
宜しくお願いします。

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