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底力

本日は町田のスクール、の中から一局抜粋。

8枚落ち~6枚落ちまでは定跡をしっかり覚えれば必ず飛車が成れますし、そこからと金攻めを覚えて、王様を追い詰めることをうまくなれば大抵勝つことができるようになります。

しかし4枚落ちとなると、定跡を覚えたからと言って必ず飛車が成れるわけでもないですし、かなり下手の底力が要求される手合いとなっていきます。

Sくんとの4枚落ちの実戦で下図。下手がうまく指していて優勢の局面。

4枚落ち1

ここで下手の手番なのですが、指した手は▲82銀。

思わず「待った!」と言っちゃいました。大体において対局中に悪手を指したとしても助言することはないんですが、(そこをポイントとして後で感想戦で教えてあげることにする)「これはいかん」というときにだけ止めます。

「この▲82銀は次に▲81銀成と桂を取る狙いだよね??でもその取った桂はどこか打ちたいところあるの??▲82銀~▲81銀成と2手懸けて、更に持ち駒の銀まで手放して桂を取りにいくのは明らかに方向違いだよ。
2手セットで考えるなら、▲17香~▲18飛や▲56歩~▲46角という風に大駒を活用させるほうが断然大事になってくるんだよ」
ホントは▲23歩~▲11歩成で端を突破すればいいんですが、そこまで具体的に教えてしまうと力はつきません。指し手よりあえて考え方を助言するといった感じです。

Sくんは82の銀を駒台に戻し、考え始めました。そして3分くらい考えて▲56歩と突きました。


進んで下図で下手の手番。

4枚落ち2

先程の局面から2、3度悪手を重ね下手難局となっています。しかしながら、▲63銀、▲54歩となんとか寄せの形を作ろうとしているところと、王様早逃げしたところに力はみてとれます。

ここで5分ほど考えて本譜は▲23歩~▲11歩成としました。さっきやっておけばという手順ですが、この終盤に来ては明らかに遅い。実戦は以下△25金▲27飛△46歩▲同歩△47歩(下図)以下下手負け。

四枚落ち3

感想戦では先程の図に戻しました。Sくんがここで5分程考えていたからです。恐らく負けそうだと思いながらも攻める手を考えていたのでしょう。

4枚落ち2

ここでは遊んでいる角を使う▲88角を薦めました。やはり大駒が遊んだままでは勝てません。次にほぼなんでも▲66角と切ってしまえば下手も勝負です。例えば△25金なら▲66角、△26金に▲53歩成が妙手で上手玉に即詰みがあります。上手は△56歩と飛車の横利きを止めるくらいですがこの交換は銀を質にした下手の大きな得。終盤ではこういった手が勝敗に直結してきます。

また図では▲55桂!も一応並べてみました。上手が玉を逃げれば▲53歩成、又△55同銀にも▲53歩成、△同玉、▲54金、△42玉、▲55金のように最後銀を取れるようにしておく仕組みです。

このような下手難局という終盤の局面を感想戦に持ってくることは多くはありません。ただ、長考していたということがポイントになっていて、本人も何かあるんじゃないかと思って考えているのですから印象に残っていると思うんです。

それからやはり将棋は楽に勝つことは稀で、苦しい局面をいかに切り抜けるかという底力が強くなるには大事になってくるので、こういった感想戦もたまにします。

4級の子にはまだ難しいんじゃないかって?ずいぶんスパルタだって??

まあそれもあるんですけど、Sくんはまだ小学校1年生なのです。^^;
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月下のシン

Author:月下のシン
2008年10月1日付けで棋士となった佐藤慎一です。
気づいたら早いもので4年目に突入!
宜しくお願いします。

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