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第三回電王戦開幕

先週日曜日、3月16日に第三回電王戦が開幕されました。
あれから1年か・・・。早いものですね。
死力を振り絞った将棋より、負けて帰ってきて一人になったときのほうがよく覚えてる。
今では電王手くんなんて登場しちゃったりして、ちょっとお茶目で有能なロボットですね^^

開幕戦となった菅井五段ー習甦戦。
自分は定期的に教えてる将棋部の指導の後、携帯中継で田中悠一四段と検討しながら見てました。
結果は98手にて、習甦の勝ちとなりました。
ご観戦されていた方の中には「習甦が去年から凄くパワーアップしてる」と思った方もいると思いますが(昨年は阿部四段の完勝でしたので)、自分が見た感じだと「今回が本来の習甦」という気がしました。
思えば開発者の竹内さんも去年は悔しい思いをした人なわけで、その努力が実を結んだということと、局後のコメントでも素晴らしいコメントを残されていて立派な方だなと思いました。→http://www.shogi.or.jp/topics/2014/03/post-951.html

負けた菅井さんですが、「コンピューターは対抗形に強い(振り飛車に強い)」と言われてる中で真っ向勝負は男気を感じました。ただ立ち上がりから想定していた将棋からだいぶ違っていたようで、随分と慎重になっていたように感じました。対局場から電王手くんなど、日頃の勉強の中では想定し得ない環境の影響もあったように思います。
本来ならバシバシと強手を指して捌いていくスタイルだと思うんですが、途中からは習甦の網にかかったように攻めを封印されましたね。

今回は習甦の良いところが際立つ将棋になりましたけど、もっと菅井さんの将棋を見たいというファンの方は大勢いると思います。
開幕戦は結果は期待していたものとは違ったかもしれないけど、両対局者の真摯な姿勢が見えて、また電王戦史上で初の振り飛車ということもあって、大きな意義のある将棋だったと思いました。


さて、ではこの借りを第2戦では必ず返さなくては・・・というところで、大きな問題が起こってしまいましたね。
http://www.shogi.or.jp/topics/2014/03/post-954.html

やねうら王のソフト差し替え問題ですが、第二戦のPVで発覚したものです。
自分は最初、PV自体がおかしいんじゃないかと感じました。電王戦に関するPVとは、対局する棋士、開発者にスポットライトをあて、お互いの意気込みや背景をファンの方に知ってもらい、対局をより一層盛り上げて楽しんでもらう為のもの。という風に誰もが考えるものだと思いますからね。見ていて「なんだこれ」「おかしいでしょ」と思いましたよ。

この一件は、「楽しみにしてくれている将棋ファンの人たちに、不快や疑惑の思いをさせて申し訳ない」それに尽きます。
本日の会見でも、ドワンゴの川上さん、連盟の片上理事からも将棋ファンの方への謝罪の言葉と、誠意を持った姿勢が自分には伝わりました。(自分は将棋ファンではなく棋士だけど、きっとファンの人たちが見てくれたら伝わるよと感じた)

そうしてルールは元通りのソフトで行うと決定付けられました。
それはそうなんですが、やねうら王の開発者の方からは将棋ファンへの謝罪とか、棋士に対しての配慮が足りてないんじゃないかと感じました。(あくまで個人的にですが)

前回から出場の竹内さん、ポナンザの山本さんなどは、スタイルの違いがあるにせよ、棋士に尊敬の念と(尊敬っていうのは、この難しい将棋というものに全ててぶつかっていく人間として)、それと将棋というものを通じて、人間とコンピューターという全く違う思考をするものをぶつける電王戦という勝負の場で、常にフェアで相手を重んじる言動ができる人たちであると言うことです。
その辺のことは棋士としては当然と言えるけれど、開発者の方もそういった配慮ができる方たちだから電王戦というものが成り立つものであると思います。

二戦目の佐藤紳哉さんは相当やりづらい将棋になってしまいましたが、こういうときだからこそ棋士の強さを改めて見せて欲しいと思い、第二戦の将棋に注目したいと思います。


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「オール・イン」天野貴元

「本を出すことになったので、読んで頂けませんか?」

天野氏から不意にメールを貰ったのは2週間程前だったと思う。
彼からのお願いは、本を寄贈させて頂くので良かったらブログに書評をして欲しい、できれば発売日までに・・・。
「構わないよ」と返事をしてから、わたしも彼の本が届くのを気にかけるようになった。
「面白かった」「つまらなかった」率直な感想でいいというので、読み終えた今率直な感想を書きます。

「オール・イン」天野貴元
1~4章までが将棋を覚えてから奨励会を去るまでの日々で、5~6章がそれ以降ということになっています。
将棋を覚えてから奨励会に入るまでが非常に面白く、特に小学生名人戦のくだりは子供の悪戯心が見えて笑えましいものです。
それと八王子出身の彼にとって羽生さんという人がどれだけ特別な存在だったかよくわかります。また少年時代に彼の周りには渡辺二冠や阿久津八段など、後に大棋士になる同世代の天才少年が彼の目線で描かれているので、将棋ファンの人には面白いかと思います。

奨励会に入った後は、将棋に対する考え方から苦悩、身近に起きたこと、日々の生活など描かれています。この辺りは十人十色で、彼はどのグループでも年少の方でやんちゃぶりが伝わります。

自分は彼と親しいのでよく見ていましたが、一生懸命将棋を指して一生懸命遊んで一生懸命忘れようとして、言い換えれば一生懸命生きていました。それは皆同じでしたけどね。

退会直前の奨励会、退会後の生活。そして病気。彼がその度何を考えてどう行動したか描かれています。

ガンという大病に否応なく向かい合わせられて、生死の狭間を乗り越えて戻ってきたとき、将棋とはどのようなものだったのか。

ご興味ある方は是非手に取ってお読み頂きたいと思います。

幹事の先生と王将戦

3月6日に王将戦予選で中川八段と対局しました。中川先生は奨励会幹事を務めていた時期があり、自分の奨励会時代に大変お世話になりました。棋士になってからも理事職を全うしていて大変お世話になっています。

自分の奨励会時代に、小林宏さん、豊川さん、中川さんといった棋界でも有数の男らしい方に奨励会幹事としてお世話になったことは、自分の性格、人生観にも大きく影響しています。勝負には厳しく、将棋盤を離れれば後輩問わず気さくに話しかけてくれる先輩に憧れたものです。
現在、小林宏先生には子供スクールで共に講師を務め、子供教室のことでお互いの意見を言うことも少なくありません。
豊川先生には練習将棋を教わり、夜にはサシで飲みに誘って頂いて、将棋のこと、色々なことの話をすることもあります。
今回は中川先生との初対局、勝って成長した姿を見せたい、いい将棋を指したいと思って対局に臨みました。

振り駒で先手番を引き、矢倉模様の出だしから後手は右玉へ。お互い陣形が未完成なまま自分から攻め込んでいき、お互いに持ち時間が残り10分で迎えた下図↓
(新規棋譜)90手
今、▲1五桂に△2四角と攻防に角を打った局面です。ここで決めないと後手から△6七桂成▲同金に△6六香という強烈な攻めがあります。ですがここで狙っていた攻め筋がありました。
実戦は▲2三桂成△同金▲2二歩と攻めました。対して△3一玉は▲2四飛が▲5三角からの詰めろで先手勝勢です。なので逃げるとすれば△1二玉ですが▲3二竜が狙いの手。(▲2四飛は△同金▲2一角△2三玉▲3二角成△1二玉で王手の千日手で逃れ)▲3二竜は次の▲2一竜の一手詰めの狙いですが、わかっていても後手には受けがありません。△2二金には▲2四飛△3二金▲2一角の詰みがあります。
実戦は▲2二歩に△同金と取りましたが、以下▲2四飛△2三歩▲3四飛がまた▲2二竜からの詰めろとなっていて先手勝勢となりました。
戻って図の△2四角では△1四銀と受けに回れば難解で、勝負はどうなったかわかりませんでした。

来週は順位戦、2週間後には竜王戦が控えています。
全部勝って来期をよい形で迎えたいと思います。

新年

(遅れまして)明けましておめでとうございます、本年もよろしくお願い致します。


大晦日に行われた、船江五段のリベンジマッチ・・・結果は皆さんご存知の用に見事にリベンジ達成いたしましたね。
ええ、ずっと信じてましたよ・・・(笑)
本当によくやったと思います。
年越しは、じぶん( ^^)/▽▽\(^^ )フナエモン、ワルヨイ( ^^)/▽▽\(^^ )フナエモン、でした(笑)

明けて新年は実家に帰るなどゆったり過ごし、師匠の新年会が行われた4日から活動して、子供スクール、荻窪道場への新年の挨拶などに行ってきました。



去年の流行語の話ですが、「倍返し」や「おもてなし」などの言葉が流行ったみたいですが、自分はほとんど使ったことがない言葉ばかりでした。あんまりいい言葉じゃないと思うんだよなーって感じで、なんで流行るのか意味わからんと思ってました。「今でしょ!」は好きですけどね(笑)

まあ流行るのはいいんだけど、子供たちが頻繁に言う言葉があんまりいい言葉じゃなかったら悲しいですよね。
というわけで今年は「思いやり」でしょう。→「子供スクール日記」http://kodomosc.exblog.jp/21822191/

新年は皆さんにいい年になりますように、そして自分の道は自分で切り開いていける年になるように、気持ちを新たにしていきたいと思います。

対局結果と告知と大晦日

まずは対局結果からー

12月19日の竜王戦6組、上田女流三段との対局は勝ち。こちらの将棋は1月1日~8日まで(2日は休刊)読売新聞朝刊の将棋欄で紙面に載ります。どんな将棋だったか、同じ人と年3回も対局したことなど(しかも女流ですから)、是非見て頂けたらと思います。

12月27日の棋王戦、加藤九段との対局は負け。
せっかく加藤戦先生と指せるのだから矢倉でいこうと意気込んで行きましたが空回り。右四間飛車から一方的に攻められる展開で押し切られました。対局に臨むにあたって「ネクタイでも負けないように」なんてこと考えて(笑)、派手なのしてったのが良くなかったですか。
今年最後の将棋が不出来な負けだったのと、大先輩にだらしない将棋を指したことに残念でした。


明日31日は大晦日、船江くんのリターンマッチが行われます。
対局後には船江くんと会う約束もしました。大晦日だから電車が詰まないのもいいですね。
2人だけで飲むのもいいですが、仲のいい棋士も誘っておきました。
そしてそのまま年越しを迎えることになりそうです。


最後にもう一つ、告知です。
1月1日元旦の東京新聞朝刊に、自分と山本一成さんの記事が載ります。
社会欄で大きく取り上げてもらえるそうなので、是非読んで頂ければと思います。

なのでまとめると、元旦は読売新聞と東京新聞の朝刊ですね(笑)
プロフィール

月下のシン

Author:月下のシン
2008年10月1日付けで棋士となった佐藤慎一です。
気づいたら早いもので4年目に突入!
宜しくお願いします。

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